2015年10月01日

平成28年度要望事項

1 雨水対策の充実・促進と下水道事業費の確保等について

(1)集水桝や雨水排水施設の清掃等の徹底

 近年の降水は、ゲリラ豪雨、台風などを含め、短時間のうちに集水桝等を溢れさせ、周囲に浸水被害を引き起こすなど、従来の想定降雨量を遥かに超えるものとなっております。こうした中、最近の集水桝や排水施設は、歩行や車両での通行上、支障とならないために、清掃等を行いにくい形状のものもあります。目視できる範囲でも雑草が繁茂している場合などは、土砂等が堆積している可能性があり、雨水の排水を妨げていると考えられる箇所も多々見受けられます。集水桝や雨水排水施設の流下量を確保するためにも、土砂・雑草等の適切かつ定期的な撤去作業を実施していただきますよう、お願い致します。

(2)雨水貯留施設等の整備促進について

 最近では、雨水対策として、雨水貯留施設の追加整備を検討されている自治体も神奈川県内にはあるものと存じます。しかしながら、下水道事業との関連で捉えられる雨水貯留施設については、既存の下水道整備計画や下水道施設の長寿命化計画、あるいは調整区域への下水道の整備等が課題となっている地域にとっては、雨水対策の緊急性を踏まえると、それぞれの事業を計画どおり進めていくことは非常に難しいものと考えられます。つきましては、緊急性の高い、雨水貯留施設の整備について、下水道事業とは別枠での予算措置をご考慮いただきますよう、ご検討のほど、お願い致します。

(3)下水道使用料の適切な賦課について

 下水道使用料は、基本的に上水道使用量をもとに計算されているところでございます。しかしながら、ペットボトル水やウォーターサーバーなど、上水道によらず購入される水については、当然のこととして、上水道使用量に反映されません。下水道使用料金は、汚水処理のために必要な下水道管の清掃、修理や終末処理場の維持管理費用と下水道管や終末処理場の建設に伴う借入金の元利償還金などにあてられるものと伺っております。
 ペットボトル水やウォーターサーバー等つきましても、下水道料金の適切な賦課のあり方について、ご検討いただきますようお願い致します。

2 防災や地域の拠点としての教育施設等の改修等の積極的な推進
 
 神奈川県下には県立や市町村立等を含め幼稚園、小中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等が1513(分校6)あるものとお聞きしております。
 これらの校舎は日本の高度成長と軌を一にするように、着々と整備を進めていただいたものの、築後、多年数が経過し、傷みや劣化が進行しているものもあるものと思われます。若者が未来への期待を胸に勉学に励む環境としては、適当とは思われず、改修の待たれる施設が多くあるものと想像されます。
 最近では、生徒数の減少から、教育施設を教育以外の目的にも活用する事例が増えつつあるほか、災害発生時には、避難所としての役割を担うことも少なくありません。しかしながら、様々な傷みや劣化が進行し、特に、トイレ設備が和式の場合などは、通常の使用においてすら、現代の設備水準を満たしておらず、災害発生時等に多様な世代の方々が利用されることを考えますと、設備の改善が必要であるものと考えられます。
 折しも、神奈川県においては、高等学校の統合・再編が課題となっておりますが、既存施設の用途転換も含めた有効活用についてご検討いただくとともに、地域の市民活動や防災上の拠点としての役割も踏まえて、県内市町村と連携しながら有効な使用方法や施設の適切な維持改善について、前向きにご検討いただきますよう、お願い致します。
 なお、内装等の更新にあたっては、コンクリート等に比べて温かみが感じられ、天然木の香りなどから精神面で鎮静効果の見込まれる木材を利用する中で、県内はもとより県外の水源流域など、国産木材の利用活性化を図るなどの取り組みもあわせて進めていただきますよう、お願い致します。

3 民間の空き家・空き店舗等の活用の促進

 近年、高齢化の進行や神奈川県も含む都市部への人口集中により、介護施設や保育施設等が不足していることから、財政の厳しい中にもかかわらず、これらの施設整備が積極的に進められているものと見受けられます。
 一方で、空き家や空き店舗の増加は管理が適切に行われにくくなるなど、地域社会の安全面で、社会問題となりつつあります。
 空き家については、庭も含め敷地が広く、建物も大きくしっかりとしたものである場合、子どもたちの遊び場を備えた保育施設や住居に近い形で介護のできる施設として、再利用できる可能性も考えられます。また、空き店舗、特にコンビニエンスストア等小売店の跡地については、駐車場を備えている場合もあるほか、地域内の至便な場所に設置されている可能性が高いことから、地域住民の集散する施設としての利用には、もとより適しているものと考えられます。
 こうしたことから、民間の空き家・空き店舗が存在し、その近隣地域へ補助金等を活用した介護・保育施設の進出を検討している事業者がある場合において、既存の民間施設の活用について検討を義務付けるほか、既存民間施設の用途上の規制を緩和するなどの検討をお願い致します。

4 工場等大規模施設跡地への進出における地域課題への関与

 神奈川県内では、工場跡地や農地へ、分譲の住宅やマンション、商業施設等がつくられる事例がございます。定住人口の増加や商業の活性化等が期待される一方、用途地域の転換は、生活上必要となる上下水道や道路などの社会インフラのほか、教育・保育・医療などの公的サービスの充実を迫るものでもあると考えられます。
 分譲の住宅やマンションに関連する各種公的インフラの建設・維持管理に要するコストの多くは公共料金や地元行政の歳費に支えられます。また、商業施設の進出に関連して、道路の混雑等を緩和するための投資は地元行政が主体となって取り組むほか、商業施設の売上等が芳しくなくなり、採算性の観点から撤退せざるを得なくなる場合など、撤退後の施設の取り扱いに地元行政が関わっている事例が全国各地で見受けられております。
 こうした施設等の地域への影響を踏まえ、工場跡地や農地に、一定規模以上の住宅・マンション等の分譲を行う開発事業者に対して、教育・保育・医療などの社会貢献型の施設の設置や、設置への貢献を義務付ける制度のほか、商業施設の進出に対しては、商業施設へのアクセス等利便性向上と周囲の環境悪化等を防止することを目的として、地元行政が進出企業に対してインフラの整備改善に要する費用の適切な負担を求められる制度等の確立について、ご検討のほど、お願い致します。

5 ストック効果を踏まえたインフラ整備の促進

(1)ストック効果の適正な評価とインフラ整備に向けた広報

 神奈川県内における圏央道の全線開通については、用地取得等が速やかに完了する場合、2020(平成32)年頃であると見込まれております。既に開通済みの区間については、利用者が移動時間の短縮を実感しており、既存の幹線道路の混雑の緩和が図られているほか、周辺地域への工場、物流拠点や商業施設の進出等が進められております。
 これまで、公共投資については、具体的根拠に基づかない、さまざまな負のイメージを一般市民より持たれてきたこともあったものと思われます。しかしながら、地域社会の利便性を向上させ、軽微な災害等の発生を抑制する意味で公共投資の必要性は明らかであると考えられます。今後は、公共投資のフロー効果のみならず、ストック効果について適正に評価していただいた中で、インフラ整備の必要性について積極的な広報に努めていただきますよう、お願い致します。

(2)各種インター近傍への大型車両待機場等の整備検討

 高規格幹線道路整備の暁には、各種インター近傍の一般道への大型車両の流入や時間調整のための不適切な路上停車など、道路状況を悪化させる状況も予想されます。そうしたことを抑制するためにも、工場、物流系の施設を多数抱える地域の各種インターについては、大型車両の利便性を図りつつ、一般車両との輻輳を避けるための車輌待機場などの整備を地元自治体と連携した中でご検討いただきますよう、お願い致します。

(3)国・県・市町村等が連携した合同庁舎等の施設整備
 公共施設の中には、建替え更新や維持改修等の必要な時期を迎えているものもあるもの思われます。利用される市民の視点で考えた場合、国・県・市町村等、施設管理者は異なるものの、共通の敷地や建物内にその機能を集約することで、市民にとって一層の利便性の向上や移動・手続きに要する時間の短縮を図ることができる場合もあるものと考えられます。景気や財政の厳しいおり、建替え更新や維持改修にあたっては、効果的な施設設置を図る上で、国・県・市町村等が連携し、合同庁舎等の設置の可能性についても積極的にご検討いただきますよう、お願い致します。

6 「未病を治す」取り組みにおける道路整備の位置づけ

 だるさ、疲れやすさ、体の冷え、頭痛、肩こり、めまい、不眠といった体の不調を示す自覚症状である「未病状態」を治すことを目的として、神奈川県では「食」「運動」「社会参加」に的を絞った「未病を治す」取り組みを進めておられるものと存じます。
 特に、身近な運動の一つである歩行の効用については、一般的によく知られており、いくつか例を上げますと、筋力低下の防止、体力の向上、肥満の解消・予防、血行の促進、血圧・血糖値・血中コレステロール値等の安定、便通の改善・便秘の解消、大腸等のがんの予防、骨粗しょう症の予防、自律神経を整える、ストレスの解消、睡眠の質向上、脳活動の活性化など、歩行の効果はさまざまに捉えられているところでござまいす。
未病を治す取り組みのうち、運動は、特別な活動というよりも、日常の生活に気軽に取り入れられてこそ、より効果を発現するものであると考えられます。神奈川県においては、県道等の道路の整備等、なお一層、幹線道路の利便性向上を図っていただく中で、市町村道等、生活道への車両の流入を抑制する取り組みを進めていただくとともに、歩行環境の改善に資する歩道等の整備を県下自治体と歩調を合わせながら、なお一層、進めていただきますよう、お願い致します。

7 残土券の発行単位の多様化

 残土券の発行単位については、現在、2トン・4トン・10トン券が、神奈川県より発行されているものと存じます。
 最近では、普通免許・中型免許で運転できる車両の関係や、車両・運転手の確保が困難な中、事業者として採算性や効率性の向上を図るため、残土を運搬するダンプについても、3トン車を使用する事例が増えているものと思われます。そうした場合、従来の券の単位では、無駄なく券を使用することが難しくなっており、場合によっては残土券が無駄に使われているものと考えられます。
 神奈川県や県内の各市町村のご意向もあるものと思われますが、残土券の発行単位について、1トン券や3トン券など、奇数単位の券の発行についてご検討くださいますよう、お願い致します。
posted by ACA at 11:36| 県政等要望